【2026年3月分から】社労士が解説│協会けんぽ保険料率の引き下げと子ども・子育て支援金の給与計算対応

令和8年度 協会けんぽ健康保険料率改定【社労士が解説】

【投稿日2026年2月22日
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協会けんぽ保険料率改定2026年度の内容を説明する社労士のイラスト

協会けんぽ(全国健康保険協会)より、2026年(令和8年)の健康保険料率が発表されました。全国平均は現行の10.0%から9.9%へ0.1%の引き下げとなります。

「保険料が下がるなら安心だ」と感じた方も多いかもしれません。しかし、都道府県ごとに異なる料率の変化や、令和8年4月から新たに始まる「子ども・子育て支援金」の徴収など、給与計算の実務では複数の対応が必要です。

本記事では、社会保険労務士の視点から、改定内容の詳細と、給与計算担当者が押さえるべき切り替えのタイミングについて解説します。

【この記事で解説していること】
  • 2026年度(令和8年度)の協会けんぽ保険料率(全国平均)はいくら?
  • 都道府県ごとの料率はどう変わるの?(引き下げ・据え置きの内訳)
  • 「子ども・子育て支援金」の料率と開始時期
  • 給与計算担当者が対応すべきタイミングとチェックリスト


※本記事は2026年2月時点の法改正議論や提案に基づいた内容を含みます。
 実際の制度変更は、今後の国会審議等により変更となる可能性があります。

目次

2026年度(令和8年度)の協会けんぽ保険料率はどう変わる?

全国平均は10.0%から9.9%へ引き下げ

協会けんぽは、2026年度(令和8年度)の健康保険料率(全国平均)を10.0%から9.9%へ引き下げることを決定しました。

引き下げの背景には、現役世代の保険料負担を軽減する狙いがあります。また、各都道府県支部の「健康づくり」への取り組み実績(特定健診の実施率やジェネリック医薬品の使用率など)を保険料率に反映させる「インセンティブ制度」も、今回の改定に影響しています。


【都道府県別】あなたの会社の保険料率は上がる?下がる?

今年度は「値上げ」の地域がゼロ!

今回の改定で特に注目すべき点は、全47都道府県で保険料率の引き上げがないことです。内訳は以下のとおりです。

引き下げ(40道府県) 東京・大阪・愛知・北海道・福岡など、多くの地域で料率が下がります。
据え置き(7県) 青森・秋田・山形・栃木・神奈川・島根・沖縄については、本来の計算では上昇となる可能性がありますが、特例措置により前年度の料率が据え置きとなります。

つまり、令和8年度はどの地域の事業所であっても、健康保険料率は「下がる」か「変わらない」かのどちらかです。

ちなみに弊所の所在地である栃木県の料率は、据え置きとなっています。

【出典参考】栃木県の令和8年度 健康保険料額表(PDF)│全国健康保険協会

主な都道府県の保険料率の変化

【令和8年度 主な都道府県の健康保険料率】

都道府県令和7年度令和8年度変化
東京9.91%9.85%↓0.06%
大阪10.24%10.13%↓0.11%
愛知10.03%9.93%↓0.10%
福岡10.31%10.11%↓0.20%
北海道10.31%10.28%↓0.03%
新潟9.55%9.21%
(全国最低水準)
↓0.34%
佐賀10.78%10.55%
(全国最高水準)
↓0.23%
栃木(据え置き)変更なし

※青森・秋田・山形・栃木・神奈川・島根・沖縄の7県は、特例措置により前年度と同じ料率が適用されます。

【出典参考】令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます│全国健康保険協会
【出典参考】令和8年度 都道府県単位保険料率について(案)(PDF)│全国健康保険協会
【出典参考】令和8年度 都道府県単位保険料率の変更についての支部長意見(PDF)│全国健康保険協会

なぜ地域によって料率がこんなに違うの?

都道府県ごとに料率が異なる主な理由は、医療費水準の違いインセンティブ制度の反映です。

医療費が高い地域では保険料率も上がりやすい傾向があります。一方、特定健診の実施率が高い地域や、ジェネリック医薬品の使用を積極的に推進している地域では、インセンティブによる報奨として料率が引き下げられる仕組みになっています。

【出典参考】令和8年度保険料率のお知らせ| 全国健康保険協会

新設!「子ども・子育て支援金制度」とは?

2026年(令和8年)4月から徴収がスタート

2026年(令和8年)4月より、子育て世帯を支援する新しい仕組みとして「子ども・子育て支援金制度」の徴収が始まります。

被用者保険(協会けんぽ・組合健保など)の支援金率は0.23%です。この支援金は健康保険料とは別の項目として加算されるため、健康保険料率が下がっても、支援金分が加わることでトータルの負担額が変わる可能性があります。

詳しい制度の仕組みや背景については、以前の記事にて解説しています。まだご覧になっていない方は、ぜひこちらからご確認ください。

本記事では、給与計算の実務に直結する料率の数字に絞って確認します。

【出典参考】協会けんぽの子ども・子育て支援金率│全国健康保険協会

【実務担当者向け】給与計算の切り替えタイミングと注意点

変更時期は「令和8年3月分(4月納付分)」から

健康保険料・介護保険料の新料率は、令和8年3月分(4月納付分)の保険料から適用されます。

一方、子ども・子育て支援金は令和8年4月分(5月納付分)からの適用です。健康保険料の改定よりも1ヶ月遅れての開始となるため、担当者は2段階に分けて設定変更が必要になります。

3月分の給与処理と4月分の給与処理で、それぞれ異なる項目の変更が発生します。見落としが起きやすいポイントですので、特にご注意ください。

給与計算ソフトの設定変更チェックリスト

3月分保険料の計算時健康保険料率(都道府県別の新料率)と介護保険料率(全国一律)を更新する。
なお、介護保険料率は2026年3月分から1.62%へ引き上げとなります(改定前:1.59%)。
【出典参考】協会けんぽの介護保険料率について│全国健康保険協会

4月分保険料の計算時子ども・子育て支援金率(0.23%)の項目を新たに追加・設定する。

従業員への周知「今月から保険料が変わります」「来月から子ども・子育て支援金の徴収が始まります」など、変更内容をわかりやすく案内する。

健康保険料と支援金の変更タイミングが1ヶ月ずれている点は、担当者が最も注意すべきポイントです。設定変更の漏れや誤りが起きないよう、社内でのダブルチェックをおすすめします。

なお、「子ども・子育て支援金」と似た名称の制度として子ども・子育て拠出金があります。拠出金は事業主のみが負担する制度であるのに対し、支援金は被保険者も含めた健康保険料と合わせて徴収される点が大きな違いです。名前が似ているため、給与計算の際には混同しないようご注意ください。

会社でできる保険料対策「健康経営」のススメ

保険料率に影響する取り組み

協会けんぽの保険料率は、各支部の取り組み実績によって変化します。以下の活動を推進することで、将来的な料率引き下げにつながる可能性があります。

・特定健診、特定保健指導の実施率を高める
・ジェネリック医薬品の使用を推進する
・生活習慣病予防の取り組みを社内で実施する
・健診結果の事業主への提供と活用を進める

従業員の健康は、会社のコスト削減につながる

従業員が健康であれば、医療費の削減を通じて保険料率にもよい影響をもたらします。社労士として、健康経営への積極的な取り組みを推奨します。


まとめ

今回の改定ポイントを整理します。

①令和8年度の協会けんぽ保険料率(全国平均)は、10.0%から9.9%へ引き下げ。
②40道府県で引き下げ、7県(青森・秋田・山形・栃木・神奈川・島根・沖縄)で据え置き。値上げの地域はゼロ
子ども・子育て支援金(0.23%)は令和8年4月分(5月納付分)から徴収開始。健康保険料の変更より1ヶ月遅れる点に注意が必要。
④給与計算担当者は「3月分」「4月分」の2段階での設定変更が必要。


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栃木県宇都宮市の社労士事務所ミアータでは、「お客様の”迷う時間”を少しでも減らしたい」という想いのもと、社会保険手続き・就業規則の作成・給与計算・助成金申請など、社会保険や労務管理の課題に幅広く対応しています。

「料率変更のタイミングが複雑でよくわからない」「給与計算ソフトの設定をどう変えればよいか不安」といったご相談も、どうぞお気軽にご連絡ください。

「いつでも相談できる身近な存在」として、全力でサポートいたします。栃木県や関東周辺の方はもちろん、オンラインにて全国対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。


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    この記事を書いた人

    社労士事務所ミアータ
    代表
    社会保険労務士
    加藤雅史

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